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にいがた花図鑑の「にいがた植物リポート」は新品種や人気品種など、園芸生産者が育てている中での視点で植物を紹介しています。
− にいがた花図鑑 −
−にいがた植物リポート−
和名:ヤブコウジ(藪柑子)
学名:Ardisia japonica
Report:木口一二三
 

<紫金牛(ヤブコウジ)>     

 伝統園芸植物(紫金牛は漢方名)。昔から花の無い冬期間に赤い実を付けた姿を正月の床飾りに、あるいはめでたいものとして神事に使用されて来たが葉変りを園芸植物として珍重し変珍木として愛培されるようになったのは江戸時代中期以降の事で、特に有名な語り草は明治二十七年頃から同三十三年頃までの新潟に於ける狂乱である。折しも日清戦争の戦勝気分と好景気予測も手伝い新潟県小梅村(現新潟市、旧新津市)に於て凄まじい流行となり投機の対象としての売買は生産者のみならず農家から一般市民、実業家までを巻き込み本業を忘れてこの売買に狂奔するに至りこの影響は全国に及んだと記録にある。

 因みに当時人気品種であった日の司は挿木一年苗一本が水田一反(十アール)と同価で取引されたとか日の司や干網の三、四年以上の株が現在の金額に直すと一千万円以上の価格で売買されたと云う。この頃の銘鑑に依れば、品種数は百種余存在した事は間違いないが残念乍ら現在小園等二〜三の栽培家に保存されて居るのは四十種余りである。

 世界に誇る日本の伝統園芸として先人が作り上げ伝えてくれた品種の多くが失なわれて行く事は誠に残念な事で何とか保存して行きたいものである。(価格は現在は一般植物並である)

 性状と作り方

 国産の植物であるだけに暑さ寒さに強く日陰に強いと云う特性は小型で葉芸の多彩さと相俟って窓際、ベランダ園芸にうってつけと云へる。丈夫で用土を選ばないが排水良好である事は大切な条件である。用土の例としては鹿沼土五。腐葉土二.五。軽石粒二.五。の混合。或はこの土に一割程の赤玉土を加へると良い。植えかへは新芽の伸びて居る時を除けばいつでも、根を傷めないのであれば周年植えかへ自由である。繁殖は株分けと六月下旬頃新芽の固まったところで挿木である。